trosk’s diary

死んじゃった!夫を亡くした妻のブログ。まだまだ人生やりたいことがたくさんあった。これからって時期にパートナーがいなくなった。それでも生きなきゃいけない。人生って過酷。生きなきゃいけないから前を見たい。苦しいんだけど笑いたい。

亡くなってからしたこと2

 前回

 

trosk.hatenablog.com

 

 

 

マンションの前に車を止めてもらい、管理人さんに声をかけた。

『夫が病院で亡くなって帰って来ました、エレベーターの子扉を開けていただけますか?』

 

管理人さんもびっくりして、言葉にならない言葉を発して対応してくださった。

 

 

家族に先に行ってもらい鍵を開けておいてもらった。

夫とエレベーターに乗る。

 

終始、こんな形で家に帰ってきたことがショックでならない。

このエレベーターの鏡で写真を撮って送ってくれたよね。大好きな帰り道。家までのエントランス、廊下、エレベーター、本当にどこも幸せな思いが染み込んでる。

 

そこを通る。違う形で。

 

 

家の中に入ってから、どこに安置しますかってことで。人が来てお線香をあげるから、リビングに近い部屋?とかもあったが、ペラペラのお布団に寝かせるなんて可哀想すぎる、と思い寝室のベッドに寝てもらった。

 

(担架の上に葬儀屋さんのペラっとしたお布団をしいて移動していたのでそれなら貸してもらえるとのことだった。)

 

遺体の安置と、お線香とかのセッティングはおまかせで、家族とリビングにぺたんと座った。 明日実家から布団を持って来る、今日は誰が泊まる、誰が誰に連絡をする、銀行に行かないと。

次々に色々と出てきて、放心状態になる暇もない。

 

 

セッティングが終わると葬儀屋さんの遺体お運びチームはそこで帰っていった。葬儀まで毎日午前中にドライアイスを変えにきてくださるそうだ。

 

 

葬儀の詳細は担当が来てから決める。

自分よりももっと大人がいた方が安心なので、改めて来てもらうことにした。

 

 

 

親友の何人かに連絡したらその日のうちに夫に会いに来てくれた。

まだ自分にも実感がないのに、彼らの顔を見てお線香をあげる姿を見て、またもや死んじゃった感。

 

 

 

夫は家に帰って来てから顔色が変わった。

むしろ元気な顔になって、だんだんと笑顔になった。

幸せそうな顔で涙がひっこむ。大好きな夫。

綺麗なお顔をしている。いやほんとすやすや寝ている。

起きそう。死んでなさそう。死んでないな。これ。嘘だな。起きるな。

そう思ったけど。。。起きてはくれない。

 

 

 

病院疲れたよね。ほんとによく頑張ったよね。お疲れ様だよ。ありがとうね。いつも頑張ってくれて。1人で耐えてくれて。

感謝の気持ちしか出てこない。

 

 

長い時間話しかけた。なにか聞こえるんじゃないかと耳をすませた。

返事はないけど、表情がどんどん変わるから話しているみたいだった。

一緒にいられて安心できた。

 

 

 

その日も次の日もやたらと天気が良かった。告別式の日は雨だったけど、それまでずっと晴れていた。晴れ女、晴れ男だから。

 

 

 

翌日葬儀屋の担当者が来て、葬儀の日程を決める。

いま葬儀は激混みで、火葬待ちが長くて、冷暗所に預けるなど困ったと友人に聞いていた。何週間も待つのではなかろうかと心配していたが、担当者は電話をかけまくってやっと火葬場と会場を押さえられたようだ。そんなに待たなくていいようだ。

 

 

あとはパンフレットを見ながら一つ一つ決めていった。あとで決める宿題もわかりやすいようにしてくれた。これとこれをどちらにするか決めて、人数を書いてFAXする。

結婚式よりよっぽど簡単だ。

お花を決めて、お料理を決めて、あとはベースグレードがあるので気に入らないものは、好きな色にしたりして。パンフレットの1ページごとに選ぶだけ。

その場で見積もりを出してくれた。

 

最後にポチ袋を渡され、鉛筆で金額を書かれた。

このブログにも書いたが、心づけを準備しておくように言われた。

 

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2〜3時間くらい打ち合わせをしただろうか。

 

 

その場で決まった葬儀のご案内を印刷してくれた。

挨拶と葬儀詳細と地図やら問い合わせ先(葬儀社)が載っている。それを写真にとって、会社に送り、友人に送り広めてもらった。

 

 

すぐに葬儀屋から連絡が来た。

 

『旦那様の葬儀参加者が予想をはるかに超えそうですので、会場すべて貸切にした方が良いと思います』

 

拡散の噂が葬儀屋の中に届き『すごいことになっている』と話題になってしまったようだ。さすがにSNSとかには載っていないと思うけど...メールやLINEでそんなに広まったとは...。芸能人か!

夫がすごいのか、年代的なものなのか。

規模感がよくわからないのでアドバイスに従って進めた。

後から考えても葬儀屋さんの見込みは全て的中していて、的確なアドバイスと提案をもらえたと思った。

 

 

決めることを決め切ってしまうと暇だった。

何をしていたか覚えていない。

悲しみに浸りたいけど、そうもいかず、本番を待つような感じで過ごしていた。

 

今思えばこれが夫の肉体と過ごす最後の時だったので、もっと時間を大切にすれば良かった。

 

 

暇だった割にぎりぎりになって喪服のことに気づく。

自分にとっては夫といる時間はすべてデート。常に綺麗に可愛くいなければならない。

ネットで買った喪服でサヨナラをするなんて絶対いけない。

家族に家をお願いしてデパートへ。

 

自分の中で悲しみの色はまっ黒じゃないんだけど、なぜこういう風習なんだろう。と思った。 

  

 

そして明日はいよいよ通夜である。

喪主を務める、通夜と告別式の一大イベント!というのがインパクトが大きくて、死んでしまったこととか、夫とのお別れであることがリアルではなかった。

ちゃんと通夜と告別式の理解ができてないような状態だった。

 

他人には説明しづらい感情だったので、誰にも何も話さず、悲しみで頭が真っ白という感じだけを出していたが、本当はとても複雑だった。

 

ちゃんと悲しみたいのに、夫のことだけを考えたいのに、そうはできないので、まだ死んだことが理解できない。

それは今も細く続いている。あの時のせいだとも思う。ちゃんとお別れをしないといけなかったんだと思う。

 

ろくに眠れていない日々だったが、明日いよいよということでまたふ眠れなかった。