死を受け入れるという選択肢
私には夫の余命宣告はいつまでも現実味がなかった。
あり得ない。
考えもしない。
いくら言われても本当に全然そう思えなかった。
今思えば気力だけでつないでいた命かもしれないが
治るとしか思えなかったし、治る以外に考えてはいけないと思っていた。
在宅での治療に切り替えて、穏やかな日々を送ることに専念する
という選択肢は思いつきもしなかった。
夫に
余命宣告を受けたこと、本当の体の状況を伝えること
そんなことはあの時はできなかった。
夫が自分がいなくなった時を恐れていたのを知っているし
口には出さないけど、とにかくとにかく怖かったはず。
治療は辛いけど、治療が効かないほうがよっぽど怖い。
悲しませることが怖い。
意識が朦朧とする中、死んでいくことを知った時どんな思いでいたか。、
それを毎日、病院での治療なしに
良くなる治療、治る治療ではなく、緩和の治療と知って。
今日で最後か、明日で最後か
そう考えて日々を過ごすなんて
治る ことしか考えない方がよっぽど心が楽だと思った。
本人も、家族も。
きっと良い日々を過ごすための選択はそれぞれに違うんだ。
私たちには希望を持つ日々を過ごすことが支えになったけど
今日1日を生きることも大切なんだ。
お疲れ様でした。
全員が頑張ったのですね。