ごくごく普通の人の医学知識をもっと詳しくもっと簡単にもっと身近に。
病気のこと。
夫の病気は、治りにくい病気だ。
常に死の恐怖がある。
ネットでいろんなことを調べた。
治療法、最もいい病院、最もいい先生、食べ物、飲み物、薬の成分、副作用
予防できない病気だから、気休めにしかならないかもしれないけど
できることをなんでもしたかった。
自分にできることは微々たるどころか、ゼロに近く。
何か何かと常に調べていた。
元気になった人のブログは見たことがない。
その時元気になれても、数年後も元気でいられる人は本当にわずか。
病院が教えてくれる生存率よりも、ずっと少ないのでは?と思ってしまう。
確率は、確率。それぞれによってももちろん違う。
だから希望を待つしかない。
かけるしかない。
生きたいから、やるしかない。
でも患者が知ることができる情報は少なすぎる。
ネットで検索しても、なにが正解かわからない。
判断できる正しい知識がない。
医学的な勉強をした人でも、難しいことで、だから異なる治療法があって、それぞれに推奨する治療が違うのだろう。
医学論文を素人がわかれば、何か違っただろうか。
裏の力みたいなものに左右されずに、情報がもっと身近に伝わるような社会であったら、別の薬があっただろうか。
患者は先生を信じるしかない。
信じられる先生に出会うこともとても大変。
出会えない人もいるのかもしれない。
いくつもの病院の症例数を調べ、生存率を調べ
先生個人を調べ
セカンドオピニオンにも多数回った。
夫が動けない時、自分1人で行った。
そういうときは、先生も本人がいないからか余計に辛い現実を突きつけた。
『悪いけど、数ヶ月も持たず正面玄関からは出れないね。』
(霊安室から専用出口を通ることになるということ)
セカンドオピニオンを受け付けてくれないところもあった。
生存率が低すぎると話すら聞いてもらえない。
そんな中でやっと見つけた病院でも
少しのことで先生に不信感をもって、不安になる。
先生を信頼できないと、治療が怖くなる。
心にどんどん負担がかかる。
家族の支えがないと、乗り越えられない。
医学の情報のあり方とか、先生の接し方、病院や治療のあり方
深く深く考える。
無知だと選択肢が少ない、不利だ。
もっと身近に、もっと判断材料があったら。
こんなに苦しい辛い経験を活かす
できることはないかと考える。